新幹線の駅から日本で一番近い離島に惚れた建築家、島の台所で見つけた「柑橘系の夢」とは?

北海道から小佐木島に通い、離島暮らしを体験している鈴木敏司さんは 島の人も驚くほどの行動力の持ち主。
島の人のためになればと資材などを自費で持ち込み、島人たちの拠点を作りました。

また、多彩な柑橘類が食べ手が少なく捨てられている現実を知り、柑橘のない北海道とつなぐ新しい夢も模索中。

今では、小佐木島に欠かせぬ人となりました。

 

新千歳空港から2時間半で離島暮らし

鈴木さんは、現在札幌市で建築士事務所を経営する建築家。

これまで都市計画やまちおこしなどにも携わってきて、人生の後半は何か社会貢献をしたいと考えていました。

そんな時ふと、小学5年生まで暮らしていた三原市を思い出します。

島々が浮かぶ海の風景や小佐木島での海水浴、毎年2月に開催される神明市など、懐かしい日々が脳裏に浮かび、自然と足は思い出の地の三原へ。

港で「みはらまちづくり兎っ兎(とっと)」の代表の小川和子さんと出会い、小佐木島へ向かいました。

「千歳空港から約2時間半で、こんな島に行けるなんて驚きでした」
小佐木島は新幹線の駅から日本一近い離島ですが、広島空港からも近い離島!

海の美しさ、豊かな自然とその恵み、また北海道にはない柑橘類の豊富さに感動、鈴木さんは島の佇まいや人にも惚れこみ、島のために力になれればと一大決心をします。

「島の人の拠点を作りたい!」

小佐木島の区長さんこと岡本さんと何度も酒を酌み交わしながら交渉、海辺の土地を紹介してもらい2階建ての拠点を新築することに。

 

島の人たちも驚いた「行動力」

話が決まるとすぐに建築開始。しかも新築。資材はどうやって運ぶ?コンクリートはどうする? 三原港から小佐木島へは高速船しかなく、建築資材が運べないことが最大の難関でした。

「フェリーを個人でチャーターしました。数年前まで小佐木島と三原港を結ぶフェリーが あったと聞き、島の活性化にはフェリーも必要だと実感しました」

島の人たちも驚く行動力とプロの建築家の発想で、2017年5月 島の人たちの拠点となる「島の台所」が完成。

木をふんだんに使った温かみのある建物、1階には島の食材を調理するキッチンと、井戸端会議ダイニングルームがあります。

どこにいても波の音が聞こえるのが特徴です。

そこでは島の人たちが集まり、小さな会合の会場として使用したり、近所の方々との夕食や飲み会を開催しているそう。

みんなの交流の場として活用されています。

 

月に10日間暮らす島人になりたい!

今、鈴木さんの目標は「札幌から離れ、月に10日間小佐木島で過ごすこと。」 そんな離島の暮らし方もとてもユニーク。

さらに「島の人たち、それを応援する人たちの新たな仕事につながれば」と 2018 年には築90年の古民家をリノベーションしたゲストハウス「宿NAVEL(ネーブ ル)の学校」もオープン。

お部屋は、2段ベッドが2つある「ゆずの間」「すだちの間」とベッド2つの「レモンの間」、ベッド3つの「ネーブルの間」と4タイプ、グループでもひとりでも気軽に宿泊できます。

値段も1日1名利用で10800円からとリーズナブル。

しかも朝・夕の食事付き。食事は、1階にある「ばあちゃん食堂」で提供。

旬の魚、島で採れた野菜も使い、お母さんたちが奮闘! 手作り料理をふるまってくれます。

こうして、島に新たな雇用も生み出しているのです。

「島を活性化するには、島が潤う仕組みが必要。そうすれば島の人口も増えると思うんです」

次に鈴木さんが考えているのは「ネーブルクラブ」。

小佐木島の柑橘類を愛する人を募り、定期的に届ける仕組みです。

「今、島の柑橘類は自家消費とわずかな贈答用のみになってしまい、売れる仕組みがないのが現状。柑橘類のない北海道に届ければ、もっとたくさんの人に喜んで消費してもらえるはず」 島の人たちと話し合いながら、構想は着々と具体化しています。

1949年5月30日、山口県岩国市生まれ。武蔵野美大造形学部建築学科を卒業。
74年に北海道に渡り「アトリエアク」を共同で設立し、現在は同社の代表を務める。
北海道で初めての公開コンペによる道立帯広美術館をスタートとして公共建築に携わり、民間建築を含め45年間多くの建築を手掛けてきた。
小学生の頃、三原市で過ごした思い出がずっと心の中に宿っていて、それが小佐木島との結びつきとなる。

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(担当窓口:三原市経済部観光課)
鈴木敏司(すずき としじ)さん
団体名 株式会社アトリエアク
住所 札幌市中央区北2条西26丁目2-12
電話番号 011-642-1181
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